津久井湖53PickUpを終えて2004.6.29

 僕が文章を書き始めたきっかけは赤星鉄馬氏の遺稿に出会ったところから始まる。そして、この出会いは作家とカメラマンという関係を超えて、その人柄に惚れ鞄持ちみたいなまねをしていたゴルフ作家の夏坂健氏のおかげでもあった。押しかけ弟子ではあったが、なにかと可愛がってもらい、いろいろと教えてもらったものだ。
 さて、この夏坂健氏の言葉に次のようなものがある。

 飛距離が自慢の幼稚園、
 スコアにこだわる小学生、
 景色が見えて中学生、
 マナーに厳しい高校生、
 歴史が分かって大学生、
 友、群れ集う卒業式

 飛距離をキャストに、スコアを釣果に置き換えてみると、そのまま、釣り師にも当てはまるところが恐ろしい。

 カメラマンという商売柄、僕は有名人と呼ばれる人々の、生の姿をかいま見る機会が多かった。政財界人、芸能人、プロスポーツ選手、アーティスト、小説家、学者、等々。素晴らしい人もいれば、もう二度と会いたくない人もいた。なんで、こんなことを書くのかといえば、人柄や人格が、その人の仕事とは、あまり関係がないことを悟ったからだ。
 どんなに歌がうまくて人を感動させても、たぐいまれな能力を自らの努力によって開花させたスポーツ選手も、素晴らしい人物とは限らないのである。
 その逆に、思いも寄らぬ人から「あっ!」と驚くパフォーマンスを見せつけられることもある。長野県でリリ禁反対の先頭に立って、体調を崩し、仕事先からはこれ以上休んだら馘首だと言われながらも、みんなをぐいぐい牽引した安武さんの努力と人望。そして、先日行われた「津久井湖53PickUp」で、地元を駆け回り、初めての開催であるにもかかわらず、津久井町観光協会の後援と63人もの参加者を得た朋さんなどはいい例だと思う。『釣りバカの証明』でも書いたが、表に開いた情熱と行動、そして人柄が物事を動かしていく。
 平和な時代だったら、釣りが上手いだけで尊敬も得られるのかもしれないが、上の言葉によればせいぜい中学生、悪けりゃ小学生だ。別に、特定の誰かを悪く言うつもりではない。やっと高校に入れたのだから、もっと上を目指して頑張ろうという決意の表明である。


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