桃太郎2004.7.14

 4才になる次女に桃太郎の絵本を読んでやってたら次第にムカムカしてきた。なんで、鬼が成敗されなきゃならないのか、ぜんぜん分からなかったからだ。鬼は最初から悪いものだという約束事なんてクソ食らえだ。おまけに、鬼ヶ島にあった宝物を持って帰って幸せに暮らしただと? おかしいよ、こりゃ。
 書く人によって、いろいろバリエーションがあるのだろうし、少しずつ内容も変わるのだろうけど、根底にあるのは攘夷という考え方であることに間違いはなさそうだ。ヒーローものの原型ですな。
 では、なんで、悪いものをやっつけるのは気持ちがいいのだろう。正義だからか? でも、よく考えてみると正義って怪しい。人間の行動原理なんて右耳と左耳の間にある形のないもの。イデオロギーも宗教も科学も全部だ。すると、やっつけることが気持ちいいだけで、正義なんて、そのエクスキューズじゃないかって思えるようになってきた。あれ、なんかで読んだ覚えが・・・まっ、いいか。
 正義を否定しようっていうわけじゃない。時代相などによって変化していく概念だって言いたいだけ。でも、やっちゃいけないと思うのは、普遍の真理みたいに考えること。それだけ。
 これは、科学についても同じだと思っていたところ、早稲田大学教授の池田清彦氏の著書『やぶにらみ科学論』に心強いことが書かれているので正直「ほっ」とした。表紙にある文章を引用しよう。

人々は科学の成果を利用する権利を有するが、科学がよしとするものに従う義務はない、と私は思う。しかし、世間の正義とかいう風圧とおせっかいという名の暴力のために、言いたい事も言えずにウジウジしている人もいるのではないかと思案する。本書がそういう人に少しでも勇気を与えることができれば、私はうれしい。

 環境省の外来生物対策小委員会の議事録を読むと、これに近いことを発言している方もいる。でも、あくまで少数派に過ぎない。経済学者の委員もいるけど、この問題を取り上げるなら社会学か倫理学の専門家を加えた方がいいんじゃないかと思う。
 なんだか、生物多様性の保全こそが至上の命題みたいな雰囲気だから。

 勧善懲悪に辟易したので、こんどは『海彦山彦』の物語を買うことにしよう。
 


CGI-design