美しい花にも毒がある2005.1.27

 先日、埼玉のFM局の取材を受けた。
 例の、外来新法でラージマウスが小池大臣の発言で指定されそうだという件についてだ。
 聴いている人に、何を伝えればいいのか、頭の中でいろいろ考えたんだけど、その半分も話すことができなかった。残念。

 そこで、この場を借りて、取材のときに考えていたことを紹介する。

 まず、今回の法律が、釣りという行為を直接規制するものではないと説明した上で、法や制度を秩序を保つためのクスリに例えることにした。クスリは症状に会わせて処方しなければ意味はない。個別に、その処方箋を検討するのが、小グループ会合だったと思う。なにしろ、大勢の利用者がいる上、第五種協同漁業権との整合性や対応など、検討しなければならないことが山積みだからだ。数回の会合で結論など出る訳はない。そう合意がなされた。欠席した人もいたみたいだけど。
 もうひとつ問題がある。クスリには副作用があるということ。ブラックバスの場合、利用者に対する負の副作用が大きいことが、当初から予想されていた。案の定、新聞などのメディアは「防除」という言葉を「駆除」に言い換え、悪者は指定されて当然だという論調、ほんとうに条文を読んでいるのか疑わしい表現ばかりが目立った。
 だからこそ、半年をめどに、検討(処方)を重ねましょうと合意した委員の方や、釣りの関係者、そして環境省の担当官の立場は支持できるものだ。
 ある新聞など、「候補の数に対して、指定する数が少なすぎる」などと非難していたが、それは、この国のシンクタンクである人たちが優秀である証拠だと、僕は思う。最初に結論ありき、ではなかったのだから。
 ところが、である。
 大臣の発言によって、この合意は覆されてしまった。「世論」とか「目玉」とか「専門家」とかの言葉が、発言には目立ったけど、むしろ、そのような予断を排して行われたのが、一連の小グループ会合ではなかったのか? 議事録を読むかぎり、そう思う。

 もし、このまま会合が進めば、指定される、されないに関係なく、釣り人や研究者、環境にとって、ベターな結論、つまり、三方一両損ではなく、三方一両得になる結論が出る可能性があったのだ。
 環境省の資料「ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策」には、生態系に与える知見(つまり研究)が、ほとんどないと書かれている。
 毎週のように水の中を見つめている釣り人の目を、これらの研究に役立てれば、双方が納得いく結論を出せるのではないか。病状を探るCTスキャンのように、道具として釣り人を利用して、専門知識で分析すれば、かなりのことが分かるのではないだろうか。
 僕らだって、本当のことが知りたいのだ。
 釣り人が望む「継続的に利用可能な豊かな自然環境」と、一部の研究者が唱える「原生自然」との隔壁は崩せないにしても、相当な歩み寄り、あるいは新しい道が拓ける可能性はあった。

 指定されることが「残念!」なのでなく、これらの可能性が潰れ、おまけに、最悪の副作用、メディアなどがブラックバスを悪者としてレッテル張りして思考停止してしまうこと(まあ、今までも、その傾向は強かったけど)が「残念!!」なのだ。

 今回のタイトルは、薬理の研究をしている叔父貴の本のタイトルをパクりました。副作用云々を言いたかっただけで、他意はないので、念のため。


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